ISO9001では、品質マネジメントシステムに関する要求事項を規定しています。国内規格では、JIS9001です。Quality Management System(QMS)とは、「品質に関して組織を指揮し、管理するためのマネジメントシステム」です。
現在、国際規格ISO9001は、世界で100カ国以上の国が国家規格として制定しており、170カ国以上の国で、数十万の組織が認証を取得しています。ISO9001がこれだけ認知されるようになったきっかけは、1990年代前半のEUの市場統合でした。EU加盟各国が、今までばらばらであった企業の品質に関する要求事項を統一し、EU加盟国のみならず、製品をEU域内に輸出する他の国々にも遵守を求めてきたのです。
ISO14001は国際標準化機構が定めた環境マネジメントシステム(Environmental Management System:EMS)の国際規格です。1996年3月の発行以来、この規格に基づきシステムを構築し、認証取得を受けた企業の数は日本が世界一となり、更に上昇の一途をたどっています。
ISO14001は自社の環境側面をレビューすることから始まり、企業活動が環境に与える影響を評価することで、問題点を解決し、企業経営の優れている点は伸ばしていく経営ツールの一つです。PDCAという継続的な改善の仕組みを利用し、環境管理レベルが向上することで環境汚染予防を促進するとともに、コスト削減などで経営環境の改善に貢献します。
(OH&SMS:Occupational Health & Safety Management System)として、世界的に認められているのがOHSAS18001です。英国規格をベースにISO規格との整合性が図られているものです。OHSAS18001は、企業が労働安全衛生について現状の危険性だけではなく、潜在的な危険性も洗い出し、それを継続的に改善してゆく仕組みを作るための規格です。
我が国でも、品質・環境と並んで労働安全衛生マネジメントシステムにも積極的に取り組む企業が増加しており、優れた労働環境のもとに品質および環境が確保されることが企業の責任となって きています。
HACCP(危害分析重要管理点)とは、危害を分析して、その危害を制御することのできる場所(工程)や処置方法を決めて、それぞれに対応した基準をつくり、「いつ」、「どこで」、「だれが」、「何の目的で」、「どの基準にしたがって」、「どのような作業を行ったのか」を記録し、証拠書類として残しておくシステムを確立しなさい、という「衛生管理手法」です。
従来のでき上がったものを「製品検査」するのではなく、製造工程を含めた「工程管理」へ管理方法を移行しようとするものです。